末端自治体における郷土資料施設の整備と活用の研究

【巡検】江戸時代は場所請負制で繁栄していたのに明治になり釧路の後塵を拝したため対策として屯田兵を誘致した厚岸(厚岸町郷土館・太田屯田開拓記念館)

厚岸に屯田兵を誘致する際、太田紋助が土地の選定を主導したので、その屯田兵村は太田村と命名された。 だがその土地は農業に向かず適作物の試験なども無く全てが試行錯誤であったため凄まじい労苦があった。 太田村へは明治23年に440戸が入植。明治37年、日…

【巡検】紋別市立博物館(漁業経営商人からの和人の入植・定住・開拓)

地域調査で紋別市立博物館に行った。紋別市はオホーツク海沿岸の漁業が盛んな地域である。観光資源としては冬季に流氷をドリルで砕きながら進むガリンコ号などで有名である。博物館は漁業が中心であり、順路としては左回りで漁業の仕組みの映像から始まり、…

【巡検】清里町郷土資料館・清里町内釧網線3駅(清里・札弦・緑)

斜里から分離し小清水の一部を併せて独立した上斜里が名称変更して清里となった。 昭和30年の町制施行の際、斜里と小清水を一文字ずつ取って清里町にしたという。 清里はインフラ整備が和人入植や独立運動に大きく関わっている。 初の和人定住者・塚本伊勢太…

【巡検】阿寒町~古潭雄別歴史資料室(布伏内コミュニティセンター内)・阿寒町公民館ロビー展示・阿寒町郷土資料収蔵室~

阿寒町の郷土資料館を調べに行った時の記録。公式では阿寒町郷土資料収蔵室が、郷土資料系の主たる施設。だが普段は施錠されており入れないので、事前に教育委員会に電話しアポを取って開けて貰うという形式。自治体の郷土資料施設の形態は、大体以下の様な…

【巡検】大空町郷土資料施設見学(東藻琴生涯学習センター郷土資料室・東藻琴ふるさと資料館・女満別研修館)

大空町は2006年に東藻琴村と女満別町が合併してできた村である。両者の集落は離れており同質性は薄い。 北海道の居住者は御存知であろうが、人々の集落はそれこそ「点と線」で結ばれている。 集落⇔道路=森=道路⇔集落という感じであり、RPGのように村と道路が…

【巡検】美幌博物館&北見圏北見文化センター・北見工業大学・ハッカ記念館

道東と言うと釧路管内・根室管内・オホーツク管内を連想する人が多いだろう。 だが「道東3管内博物館施設等連絡協議会」を構成するのはオホーツクではなく十勝なのだ。 そのためオホーツク管内の方が地理的には近いのだが、実情は疎くなりがちであった。 そ…

【巡検】別海町郷土資料施設(鉄道記念館・郷土資料館・加賀家文書館)

標津線・根釧原野の開発・戦後パイロットファームを学ぶために訪問した雑感メモ。 鉄道記念館は標津線が根釧原野の開発に与えた影響を学ぶことができる。 郷土資料館は考古・自然・生活・農業・水産・北方の第1展示室と写真中心の第2展示室がある。 加賀家と…

【巡検】官設鉄道釧路線を行く(浦幌・音別・白糠とその周辺)

浦幌町立博物館、音別町郷土資料展示室、白糠町郷土資料室&白糠炭田石炭資料室に行ってきた。 ついでに浦幌~庶路までの各駅を見学した。 そもそもの目的は浦幌町立博物館の企画展「十勝の鉄道120年」の見学であったが沿線施設にも寄った。 音別町郷土資料…

【巡検】帯広百年記念館と晩成社・十勝監獄

中の人の専門は歴史学(近現代史)と教育学(教科教育)である。歴史学では近現代北東アジアにおける人的移動を研究している。教育学では社会科教育・歴史教育における博学連携を研究している。日本は明治以降各地に人々が渡っていったが、北海道は積極的に殖民…

【巡検】標茶町博物館~来館者数が急減する道東の冬季観光において、各館が行っている誘致策を学ぶため、標茶町博物館で開催中の館内クイズラリーを視察してきたメモ~

北海道の観光シーズンは夏であり、冬になると一気に来道者が減る。そのため、北海道は冬季観光への対策が求められており、雪まつりなど様々なイベントが催されてきた。博物館も同様であり、冬は来館者誘致事業を行わないと閑古鳥が鳴くこともしばしば。そも…

【巡検】中標津町郷土館

役場近くの丸山公園内に佇む小さな資料館。入口に名簿が置いてあるのみで、見学者は勝手に入室して好きなように見るというスタイル。展示室には暖房がついてなくてとても寒い。資料の温湿度管理などが気になる所。 郷土館外観・町指定文化財 展示室概観 展示…

【巡検】鶴居村ふるさと情報館

中の人の専門は教育学(教科教育)と歴史学(近現代史)であり、普段は教育や歴史に関する業務に従事したりなんだりしている(メディア文藝と観光学も少しやる)。近年は社会教育や博学連携を担うことが多いので、末端自治体における郷土資料館の整備と活用の研究…

【巡検】知床半島(ウトロ→羅臼→相泊)→羅臼町郷土資料館→野付半島

知床はこれまで2回訪問しており1回目は世界遺産の知床五湖、2回目は斜里知床の博物館を訪れていた。 今回は知床横断道路を通ってウトロから羅臼に抜け、舗装されている限界である相泊まで行ってきた。 (知床岬突端に行くには、相泊より先は徒歩で過酷なトレ…

根室市観光RTA

滞在時間約5時間で根室市をどこまで回れるのか!? 運良く当日レンタカー予約ガチャに成功したので欲をかいてしまった。 大人しく納沙布岬と「歴史と自然の資料館」、和田屯田兵の被服庫を見れば良かったのだが…。 屯田兵被服庫は事前に開いているか確認した…

網走市博物館等施設レポ

網走市に行った時のメモ モヨロ貝塚 モヨロ貝塚貝塚が発見されたところに建てられた資料館。オホーツク文化を題材とした展示。東北地方出身で東京で理髪業を営みながら在野で考古学の研究を学んだ民間人が、アイヌに惹かれて渡道し、網走で貝塚を発見した。…

標茶町塘路湖周辺レポ

塘路湖にある駅逓所、釧路集治監、標茶町博物館を見学してきたので、備忘録として所感などを記しておくこととする。 駅逓所 塘路駅逓所近世において蝦夷地に和人が進出したが、それは沿岸部に限ってのことであった。近代に入り、和人たちは内陸部に入植して…