「サクラノ」シリーズ

サクラノ刻 5章「D'où venons-nous ? Que sommes-nous ? Où allons-nous ?」(夏目藍)→6章「櫻ノ詩ト刻」(夏目依瑠)の感想・レビュー

芸術家として草薙直哉を再生させるべく、登場人物たちが総出で彼を奔らせる話。 (唯一直哉に奔ることを求めず、どんな時でも彼の居場所となり続けた夏目藍が正妻となる) 美術教師として安寧を得た草薙直哉を奔らせるために様々な画策が成され御桜稟と対決す…

サクラノ刻「Mon panache!(夏目圭)」シナリオの感想・レビュー

精神性でのみ絵を描いていた少年が人生を楽しみ師匠によって因果交流を学ぶ話。 第4章は夏目圭の生涯が綴られサクラノシリーズの正ヒロインは圭ですわという心境になる。 圭は不幸な家庭環境に生まれたが、絵画を学ぶことで様々な人々と出会い、逆境を克服す…

サクラノ刻「幾望/既望(鳥谷一族)」の感想・レビュー

雪景鵲図花瓶を巡る麗華と鳥谷一族の確執を解消し鳥谷静流を陶芸家として羽ばたかせる話。 鳥谷静流は贋作として雪景鵲図花瓶を作り、それは現代陶芸として一流の作品に仕上がった。 だが静流は麗華が贋作を公表し美術界で面子を潰してしまうことを怖れ、引…

サクラノ刻「Der Dichter spricht(草薙みすゞ)」シナリオの感想・レビュー

虚無の人生の中に生きる意義と意味を見出すことができるのが美術だという話。 本間心鈴は世界に属せず虚無の中にいたが、絵画により自分を見つけることが出来た。 そして主人公により世界が照らされ、それは楽しく嬉しいものだと気付くことが出来た。 心鈴は…

サクラノ刻「Night on Bald Mountain(恩田寧)」シナリオの感想・レビュー

本間心鈴に怨恨を抱えていた恩田寧が逆に心鈴の弟子となることで美のセカイの一端に触れる話。 恩田寧は複雑な家庭環境で育ち本間家への憎悪を滾らせその娘:心鈴に対して怨恨を抱いていた。 寧の母方は美術の名家であったが寧に敷居を跨がせないのに、心鈴…

サクラノ刻「Картинки с выставки(咲崎桜子)」シナリオの感想・レビュー

主人公が学園の正規採用となり美術部を復活させ夏目圭との過去に決着をつけ美術教師として歩み始める話。 美の概念を相対的なものとして捉え地元に残り世界へ羽ばたくヒロインたちの帰る場所を守る事を選んだ主人公。 新年度になり非常勤講師から正規教諭に…

サクラノ刻「La gazza ladra(本間麗華)」シナリオの感想・レビュー

サクラノ詩真琴√の贋作事件の掘り下げ&リベンジ。なぜ麗華が贋作を選んだのか理由が明らかになる。 麗華は本物の鑑定眼を持っていたからこそ、贋作として作られたが現代美術の逸品でもある作品を選んだのだ! また麗華シナリオを第1章に持ってくることで中…

サクラノ詩「櫻の森の下を歩む(夏目藍)」の感想・レビュー

最終章でもテーマは「因果交流」。人々との交わりの中で主人公は芸術を見出す。人生の落伍者となり非常勤として燻っていた主人公でも胸に秘めた襖火は消えてはいない。ヒロインたちが誰もいなくなった舞台で想い出を噛みしめながらも現在の仲間と立ち上がれ…

サクラノ詩「The Happy Prince and Other Tales.(長山香奈)」の感想・レビュー

筆を折っていた主人公くんをして再び筆をとらしめた夏目圭が死亡するはなし。歪んでるからこそ本物を知った当て馬ヒロイン長山香奈がメインヒロイン以上に大活躍。長山香奈に刺激された主人公が稟の才能の結晶である吹と水彩画対決する場面は手に汗握る。主…

サクラノ詩「What is mind? No matter. What is matter? Never mind.(中村水菜)」シナリオの感想・レビュー

主人公くんの父;草薙健一郎と母;中村水菜の馴れ初めのはなし。夏目家VS中村家のお家騒動と埋木舎の伏線が回収される。主人公の母;水菜は中村家の妾の子であり、また中村家の娼婦でもあった。性的に虐待される水菜を救うために健一郎は夏目家勢力を動員…

サクラノ詩「A Nice Derangement of Epitaphs(夏目雫)」シナリオの感想・レビュー

過去回想による伏線回収。主人公と父親の別離、稟と雫の関係、吹の存在が語られる。「因果交流」がテーマとなっており、主人公が人々との想いを繋げたことが示唆されている。父親が最後に残した作品は主人公が雫を救う金を捻出するために描いた贋作。稟は絵…

サクラノ詩「ZYPRESSEN(氷川里奈)」シナリオの感想・レビュー

死に憧れる死臭漂う少女を絵画によって創り変えるおはなし。劇中劇・視点交換・擬古典などの表現技法が駆使されており紙芝居ゲーの洗練ともいえる。物語の原動力となるのは主人公くんが母の死により抱えた「滅私奉公」の思想を転向させること。そのために里…

サクラノ詩「Marchen(川内野優美)」シナリオの感想・レビュー

「赤ずきんの狼」と「白い毒キノコ」をモチーフにしながら百合展開を描くはなし。ZYPRESSEN(氷川里奈)シナリオから分岐することで優美シナリオに入れる。優美が里奈に思いを寄せるに至った背景が語られる。また赤ずきんが一方的に捕食されたのではないことを…

サクラノ詩「PicaPica(鳥谷真琴)」シナリオの感想・レビュー

すさまじく複雑な人間関係が展開されるお家騒動!に巻き込まれるはなし。真琴が美術の知識を駆使しして中村家一族のモンペアに一泡吹かせることが見どころなのだろう。だが中村家の背景知識がない為夏目家VS中村家の描写を先にやってくれないと重要性がイマ…

サクラノ詩「Olympia(御桜稟)」シナリオの感想・レビュー

火事のトラウマと主人公の右手の自由を奪った罪の意識から目を背けた少女が過去と向き合うはなし。副題のオランピアはホフマン物語出典→機械人形の意。火事で亡くした母親を人形に見出したことから。OPで稟と対照に提示される少女「吹」は稟の母親の死霊。千年桜の伝承…

サクラノ詩OP 出典・元ネタ

サクラノ詩のOPを見ると色々なことが分かります。最初は宮沢賢治から始まりますが・・・ 各章のサブタイトルがエミリー・ディキンソンの「I dwell in Possibility」に対応していることが分かります。 また1章、2章はシューマンの交響曲第1番の初稿におけ…

サクラノ詩【体験版】の感想・レビュー

筆を折った美術系天才少年が美術部員たちに感化されもう一度芸術に向き合うはなし。挫折系主人公くんの苦悩や煩悶の様子を描き出すのは大好物です。迷ったり悩んだり苦しんだりする姿は色々と考えさせれる。体験版では主に学園編が主軸となり夏目家にはあま…