Manchuria
陸軍大学校教官陸軍砲兵中佐宝蔵寺久雄による旅行記。 1933年4月25日~5月24日、陸軍大学校の満洲戦跡旅行が行われた。 巻末に旅行経過表が掲載されており、そこから旅程や経路が分かる。 序文に無軌道とある通り本文は時系列通りに掲載されているわけではな…
経済雑誌で有名なダイヤモンド社の創業者による満洲の視察旅行記。 1940年5月~6月にかけて朝鮮と満洲を旅行したもの。 特に満洲における石炭と鉄鉱石に関する状況を強調している。 『東洋経済』の石橋(※石橋湛山のことか?)に誘われて朝鮮と満洲を見学する…
著者属性:高等女学校教諭 旅行形態:(名目上は)慰問。おそらく自費?「乏しい金と切りつめられた日程とでより多い好果を挙げる所に、真の旅の楽しみがある」(1頁) 旅行期間:明確な記述はないが序文から判断すると1933年かと思われる。 但し内容は時系列通り…
帝国主義的な植民地拡張政策をとると、被支配民族が覚醒しナショナリズムが昂揚して対立が激化する。これを解決するためには母国民の移住土着が必要である。また日本は土地問題を抱えており寄生地主制により狭隘な土地しか持たない零細農民は小作農とならざ…
この論文の主旨 「小稿は,こうした鮮満ツーリズムのなかで日本人が 残した旅行記に着目し,そのまとまった目録を示すとともに,旅行記の資料的意義を 検討した上で,旅行の目的や形態,訪問地など,ツーリズム空間の広がりに関して基 礎的な分析を行うもの…
満蒙研究において東大、京大の農学部とは異なる北大の独自性を指摘している。 一 1932(昭和7)1月 関東軍統治部主催「満蒙における法制及経済政策諮問会議」in奉天 4つの部会 (1)法制、(2)幣制・金融、(3)関税・税制・専売制、(4)産業 北大教授の参加 上記産…
この本の趣旨 「満洲をめぐって日本の文学者たちが、何を感じ、何を考え、そうしてそれらのことをどんな風に表現したかということをたどろうとしたもの」 以下、参考になった箇所など 1990年時点では満洲文学に関する研究はほぼなかった(22-23頁) 「〔……〕尾…
1939(S14)年10月7日~11月6日の慰問旅行。 前回の慰問で演芸を連れてくると述べたので若柳吉美津江さんを連れて満洲へ。 群馬・秋田・静岡からなる青少年義勇軍の満洲国東安省林口県虎山自警村訓練所を訪れる。 満蒙開拓青少年義勇軍の少年たちが著者に向か…
秋田県出身の女性文人である鷲尾よし子女史が満洲に郷土出身兵士を慰問に行く。 1938年9月1日~10月5日までを時系列順に描いている紀行文。 ここでは、どのルートを辿り、何を観光資源として消費したかを分析していく。 日本(東京~下関) 9/1 20時30分 東京…
【随時追加】コロニアルツーリズム×コンテンツツーリズム。 1932年~1945年における満洲国の小説・紀行文・体験記を分析することで、何が観光資源となっていたのかを明らかにするという。 1932年 「中村少佐慰霊の旅」、『朝日新聞』、東京/朝刊、1932年3月1…
拓務省派遣の大陸開拓文藝懇話会の3名が満洲を旅行した紀行文。 日付順に3者の紀行文が掲載されていく視点転換方式。 井上は仕事の関係上後発、豊田と新田が同行で先発し朝鮮(釜山・京城・平壌)を見分。 奉天で合流し、ハルピンまでは3人。それ以北は3者が分…
参考になった箇所のメモ 先行研究の分析 満洲国の博物館に対する概括的な議論 山室信一「空間認識の視覚と空間の視座」山室信一編『岩波講座「帝国」日本の学知』8、岩波書店、2006年、序8-9頁 「満洲国」国立中央博物館を「独立国家の体制」が整えられるな…
書籍で発行されている参考文献が二つで、(1)大出尚子『「満洲国」博物館事業の研究』(汲古書院, 2014.1)と(2)犬塚康博『藤山一雄の博物館芸術 : 満洲国国立中央博物館副館長の夢』(共同文化社, 2016.4)。 博物館副長官の藤山一雄は多くの論文タイトルに散見…
満洲に関する新聞記事の分析シリーズ。 『朝日新聞』の旅行・観光に関する記事は179本程あり全部読みました(※満洲以外の帝国日本の植民地が数種類混じっている)。 今は時系列順ですが、これから分類・整理します。 満洲に関するコラムや小説もチェックすると…
本書の趣旨 本書は2つのシステムの関係を分析する。一つ目のシステムが、満洲支配のシステム。それは(a)日本が満洲に作り上げた国家機構、(b)植民地経済開発についての支配機構、(c)社会的支配のメカニズム、以上三点を包含している。二つ目のシステムは、日…
「国民国家形成を歴史的に正当化する一国史創出の根拠付け」という機能・役割を、博物館の調査・発掘・展示が果たした。 はじめに 本稿について 趣旨 「満洲国」国立博物館の展示替えおよび特別展の内容とその特徴が、日本と「満洲国」をめぐる学術動向とい…
明治45年3月に設立されたジャパン・ツーリスト・ビューローは、当初は、欧米人観光客を日本に誘致し、日本の文明度の高さを海外に知らしめると共に外貨獲得を目的としていた。だがしかし、旅行ブームの進展とともに邦人客への代売も担うようになっていった。…
研究論文の要旨を図解フローチャートでプレゼンした際に指摘されたことのメモ。 要旨を言葉でまとめると以下の通り 【1】問題意識と問題設定 テーマと具体的な題材 問題意識の根底にあるのは「ヒトの移動」つまり「なぜヒトは移動するのか」。この問題意識の…
この本の趣旨(31-32頁) 「戦時下日本のプロパガンダのより詳細な分析が重要である理由として、以下の二点が挙げられる。第一に、戦時下日本の目的追求を下支えした当時の社会心理を浮かび上がらせること。第二に、日本の一般大衆は戦争の積極的な参加者であ…
本書の趣旨(3頁) 「満洲国はみずからの存在を、どのようなものとして国の内外に認知させようとしたのか。本書は、その企画と弘報政策に深くかかわった日本人が描いた/描こうとした満洲あるいは満洲国イメージから、このことを検証するものである。」 雑感 1…
この本の趣旨 (戦争末期を除き)戦時中が日本にとって暗い谷間でだったという見方をくつがえすこと。 まとめ http://d.hatena.ne.jp/mmm000mmm/20180914/p1 http://d.hatena.ne.jp/mmm000mmm/20180917/p1 http://d.hatena.ne.jp/mmm000mmm/20180918/p1 http:/…
この本の趣旨 (戦争末期を除き)戦時中が日本にとって暗い谷間でだったという見方をくつがえすこと。 まとめ http://d.hatena.ne.jp/mmm000mmm/20180914/p1 http://d.hatena.ne.jp/mmm000mmm/20180917/p1 http://d.hatena.ne.jp/mmm000mmm/20180918/p1 http:/…
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【大テーマ】帝国と植民地間の人の移動について調べている。 RQ 「なぜ帝国臣民は植民地へと移動したのか?」→「帝国−植民地間の移動という欲望を喚起させる装置」 これまで 帝国と植民地間のツーリズムや観光についての先行研究などの調査を行った。 http:/…
帝国と植民地間の人の移動について研究している。移民・出稼ぎ・商用・旅行・観光など、何故人は移動するのか。その原因には、プッシュ要因・プル要因という違いはあれど、人に移動したい/する必要がある/させたいという欲望を喚起させる装置が存在したは…
はじめに 帝国と植民地間の人の移動について勉強しており、満洲におけるツーリズムを調べている。 前回の演習では、ツーリズムや観光の定義、また戦前日本の海外渡航制度についても述べる必要があるとの指摘を受けた。そのため、参考文献を読んでいるのだが…
今回 今回の演習で報告したこと 今回は、テーマ選択、満洲研究の研究史整理、課題設定、満洲ツーリズムの先行研究分析、リサーチクエスチョンの設定を報告した。 http://d.hatena.ne.jp/mmm000mmm/20180627/p1 http://d.hatena.ne.jp/mmm000mmm/20180703/p1 …
『史学雑誌』「回顧と展望」 満洲研究まとめ 2017年の歴史学界(『史学雑誌』第127編第5号) 2016年の歴史学界(『史学雑誌』第126編第5号) 2015年の歴史学界(『史学雑誌』第125編第5号) 2014年の歴史学界(『史学雑誌』第124編第5号) 2013年の歴史学界(『史学雑…
【資料1】植民地研究における観光研究の始まり 「植民地における資本主義の様態を、経済史研究とは異なる関心から問題にする動向がある。植民地という条件下では、資本主義が生み出す不可逆的変化が、人々の感覚や情動にいかに作用するのか。この問いかけは…