Manchuria

【文献サーベイ003】【別表1】満洲 旅行・観光・ツーリズムに関する先行研究の分類

1.新聞社に関係するもの 有山輝雄『海外観光旅行の誕生』(吉川弘文館、2002、pp.18-88) 高媛「租借地メディア『大連新聞』と「満洲八景」」(『ジャーナル・オブ・グローバル・メディア・スタディーズ』4、2009、pp.21-33) 2.旅行会社の出版物を利用したもの …

【演習B報告002】リサーチクエスチョンの設定「満洲への人口移動を促進させるための大衆的欲望の喚起について」

大きなテーマは「観光が日本人の満洲認識形成に果たした役割・機能とは何か?」 その中でも「なぜ人々は満洲へ観光しようとしたのか」(大衆的欲望の喚起)を扱う。参考:大衆的欲望の喚起 これまでの経過 進捗状況 http://d.hatena.ne.jp/mmm000mmm/20180320/…

小牟田哲彦『大日本帝国の海外鉄道』(東京堂出版、2015年)

趣旨 日本が植民地とした台湾、朝鮮、関東州、満洲、樺太、南洋において敷設した鉄道関係を紹介した書籍。ここではその中から、観光に関するものを抜粋した 以下、本文抜粋 満洲とプロパガンダ 満洲への旅行熱 「日露戦争に勝利し、ポーツマス条約によって満…

有山輝雄『海外観光旅行の誕生』(吉川弘文館、2002年)

趣旨 日露戦争後、新聞の発行部数の減少を食い止めるために創出された人為的なメディア・イベント、それが日本で初めての満韓への海外団体旅行であった。 最初の地域として満韓が選ばれたのは、日露戦争により帝国にのしあがったという大きな物語を追体験し…

【用語メモ】満洲 観光・博物館・紀行文関係/二〇世紀満洲歴史事典(吉川弘文館、2012年)より

帝国とプロパガンダについての研究。 大衆を啓蒙し、対外認識を形成させる装置として、観光・博覧会・紀行文などを扱う。 ここでは、日本帝国が満洲に対して帝国臣民にどのような満洲像を形成させようとしたかを見るために、基本的な用語を押さえていく。そ…

【文献サーベイ002】日本帝国と人流→満洲観光ツーリズム→満洲関係の博覧会

ほとんど研究進んでおらず焦燥感に駆られてきた。そんなに多くないのに講義回すだけで精一杯になってしまっている。少しずつでもやっていかねば。と、いうことで、ひとりブレーンストーミングタイム。博覧会とかってどうでしょうかね?思い付きですが。 学術…

満洲映画シリーズ

図書館に入っている満洲映画を少しずつ見ていくことにした。メディアツーリズムの勉強の一環。 現在、帝国と植民地の人流について研究しているが、映画は聖地巡礼の一種となるであろうから。 映画の中に登場する場面を見て、プロパガンダとなり観光や旅行に…

【文献サーベイ001】植民地満洲をめぐる人流(旅行・観光・ツーリズム)に関する主要文献リスト

とりあえずCiNiiと国会図書館サーチで「満洲 観光」、「満洲 旅行」、「満洲 ツーリズム」で検索した結果出てきたものを、羅列。 上記検索だと千住一による先行研究整理の文献がほとんどひっかからないので、それらも加えた。 ただ著者順に並べただけでは、…

【サーベイ論文】千住一「日本統治下台湾・朝鮮・満州における観光に関する研究動向」(『奈良県立大学研究季報』、22(2), pp.83-96, 2012-01-31)における満洲に関する記述まとめ

本稿の趣旨 台湾、朝鮮、満洲の順で現在の研究を明らかにし、成果をまとめ、今後の課題を提示すること。 先行研究整理 満洲観光についての研究 (1)高媛「戦地から観光地へ:日露戦争前後の「満洲」旅行」(『中国21』29、2008、pp.203-218) 論文所在 愛知大学…

高媛「「楽土」を走る観光バス−1930年代の「満洲」都市と帝国のドラマトゥルギー−」(『岩波講座近代日本の文化史6』岩波書店、2002年、pp.215-253)

メモ 日本帝国の植民地観光史を通して、観光そのものが権力関係の強化と権力構造の再生産を行う装置であることを指摘している。 はじめに 本稿の趣旨 「…1930年代から「満洲」(現中国東北部、以下括弧省略)の六大都市で開花した日本語の観光バスを題材に、内…

金子文夫編「戦後日本植民地研究史」(『岩波講座 近代日本と植民地4』岩波講座、1993年、pp.289-317)における満州に関する記述について

本稿の趣旨 満州に関する戦後の研究動向を1960年代まで、1970年代、1980年代以降の三期に区分して概観すること 1960年代までの満州研究 全体的な特徴 めぼしい成果に乏しく、戦前の満鉄調査部を筆頭とする豊富な調査研究の流れはほぼ途絶状態 1.満鉄関係 安…

磯田一雄「皇民化教育と植民地の国史教科書」(『岩波講座 近代日本と植民地4』岩波書店、1993年、pp.113-135)

本稿の趣旨 植民地支配においてハードウェアとソフトウェアに例えられる軍隊と学校に関して、植民地の教育活動におけるその本質を、国史(日本歴史)教育とその教科書の側面からとらえること。 以下、満洲における歴史教育に関する事項まとめ 満洲国の学制につ…

山本裕「満州」(日本植民地研究会編『日本植民地研究の現状と課題』、アテネ社、2008年、pp.217-248)

はじめに 本稿の趣旨 「満州」研究についての現状と課題を述べていくこと 「東北アジア史」研究に関する詳細な文献リスト 上田貴子・小都晶子「東北アジア近現代史関係文献目録(一九九九〜二〇〇五年)」(近現代東北アジア地域史研究会『News letter』第一七…

山本有造「「満洲国論」―日本植民地帝国と「満州」―」(山本有造『「満洲国経済史研究」』名古屋大学出版会、2003、pp.3-25)

本稿の趣旨 日本植民地帝国50年の歴史における「満洲」の役割とその意味を概観…する。 「満蒙問題」とその展開 ―満蒙は日本の生命線― 日本植民地史、日本帝国史の課題 日本植民地帝国の構造を総括しこれを西洋列強の経験と比較すること 日本植民地帝国の世界…

安岡健一「戦後開拓と戦後海外農業移民」(蘭信三編『帝国崩壊とひとの再移動』勉誠出版、2011年、216-225頁)

本稿の趣旨(pp.216-217) 日本=過剰人口という命題が広く人びとをとらえた時代を、とくに戦後の開拓政策と移民政策からたどりなおしてみること。そしてそこから浮かび上がる、人間を「人口」として捉える国家と、日々を生き抜こうとする人びとの交差する関係…

山室信一『キメラ ―満洲国の肖像 増補版』(中公新書、2004年)

この本の趣旨(p.15) いったい、なぜ、中国東北部に満洲国という国家がこの時期、日本人の主導によって作られなければならなかったのか。その国家形成の過程はいかなるものであり、それに日本人や中国人はどうかかわったのか。また、形成された国家は、いかな…

「内原郷土史義勇軍資料館」訪問記・雑感

内原訓練所は満蒙開拓青少年義勇軍に応募した各道府県の青少年が満州に渡る前に訓練を受けた施設。 茨城県水戸市内原にあり、現在は郷土資料館となっている。 その足跡を体感するため、現地を訪問してきたのでメモしておくこととする。 満蒙開拓青少年義勇軍…

白取道博『満蒙開拓青少年義勇軍史研究』(北海道大学出版会、2008年)

本書の目的 政策意思の系統的把握を基軸として青少年義勇軍の送出過程を追究し、青少年義勇軍をめぐる基礎的事実を確定すること。 移民政策について 成人男性の送出形態 中国東北部を入植地とする移民……は、1936年に広田弘毅内閣が「国策」としての遂行をう…

蘭信三編著『帝国以後の人の移動 ポストコロニアリズムとグローバリズムの交錯点』(勉誠出版、2013年)

蘭信三「はじめに」より 「帝国以後の人の移動」という新視覚 従来、内地対朝鮮、内地対台湾、内地対満洲、朝鮮対満洲という二地域・国家間での人の移動を捉える研究蓄積は相当なレベルに達していたが、日本帝国内における人の移動の連関性をトータルに捉え…

寺林伸明「「満洲開拓団」の日中関係者にみる“五族協和”の実態」(寺林伸明・劉含発・白木沢旭児編『日中両国からみた「満洲開拓」ー体験・記憶証言ー』御茶の水書房、2014年、pp.319-346)

1994年における鏡友会員(鏡泊湖義勇隊・鏡泊学園の引揚者団体)に対するアンケート調査と訪問調査 移住の動機:小学校の勧誘・推薦、役場の募集によるものが36.4%、自身の積極的な理由をあげたものが31.8%。合計68.2% “五族協和”、“王道楽土”を信じたもの…

湯山英子「八紘開拓団の戦後における生活の再構築ー北海道静内高見地区を事例にー」(寺林伸明・劉含発・白木沢旭児編『日中両国からみた「満洲開拓」ー体験・記憶証言ー』御茶の水書房、2014年、pp.125-138)

戦後開拓事業によってに引揚者が入植したが、全戸離農となった北海道日高郡静内町高見地区の事例。 ※高見はもともとアイヌへの供与地だったが、昭和22年時にはアイヌはそこに定住していなかった(寺林伸明・劉含発・白木沢旭児編『日中両国からみた「満洲開拓…

湯山英子「北海道で語られてきた「満洲」体験」(寺林伸明・劉含発・白木沢旭児編『日中両国からみた「満洲開拓」ー体験・記憶証言ー』御茶の水書房、2014年、pp.113-124)

文献紹介。北海道で発表された体験談を時代ごとに整理したもの。 本稿の趣旨 北海道と満洲との関係を明らかにするうえで、満洲体験がどう北海道で語られてきたのかを整理し、検討する。 北海道は満洲への送出地域でもあり、引揚げ後の受け入れ地域でもあった…

麻田雅文『満蒙 日露中の「最前線」』講談社選書メチエ、2014

本書の趣旨 東アジアの国際政治史にロシアを位置づける試みの一環として、その鉄道を通じた影響力を探る。(p.5) 軌間の問題 清朝は世界で主流の標準軌(4フィート8.5インチ=1435ミリ)を採用していた。これに対しロシア帝国は、19世紀中ごろから広軌(5フィー…

寺林伸明・劉含発・白木沢旭児編『日中両国からみた「満洲開拓」ー体験・記憶証言ー』(御茶の水書房、2014年)

「開拓」とは何か しばしば北海道開拓のように「未開の原野を開拓した」というイメージで語られることもあるが、中国における「満洲開拓」の実態を知れば知るほど、「開拓」に文字がいかに空虚なものであったのかを実感することができる……中国において農民が…

小林英夫『<満洲>の歴史』(講談社現代新書、2008)

この本の趣旨 日本人の視点を意識した中国東北史を記述すること(p.4) 日本人の目から見た日中関係史の一翼を担う中国東北史の発展過程と、そこに関わった日本の夢と現実の考察(p.6) 17世紀における満洲 …満洲はヌルハチに起源をもつ清朝発祥の地として、満洲…

加藤聖文『満蒙開拓団 虚妄の「日満一体」』(岩波現代全書、2017年)

この本の趣旨 満蒙開拓団の歴史を政策史の視点から検証すること。 開拓政策者たちの満蒙開拓団に対する認識(pp.vi-vii) 農林省経済更生部長小平権一の部下として開拓政策の実務を担い、満洲国開拓総局長を経て敗戦時に東満総省長だった五十子巻三…は…終生、…

白木沢旭児「植民都市・安東の地域経済史-2つの帝国のはざまで-」(白木沢旭児編著『北東アジアにおける帝国と地域社会』北海道大学出版会、2017年、pp.95-140)

概要 中国と朝鮮との国境に位置する中国側の都市安東は、中華帝国及び日本帝国の双方から強い影響を受けつつ都市形成を遂げたため、特異性を有する都市。そのような植民都市・安東の歴史を通じて北東アジアの帝国と地域社会を考察するという内容。 目的 安東…

ディビッド・ウルフ/半谷史郎訳『ハルビン駅へ 日露中・交錯するロシア満洲の近代史』(講談社、2014)

ハルビンはロシア帝国の外部に位置したので、リベラルな思想が育まれ、それが帝国にフィードバックされたという内容。 本書の概要 鉄道建設を主題とする「鉄道帝国主義論」。 主たる特徴は東清鉄道がひきおこした国際競争。満洲問題はある種の「競争植民地主…

満蒙開拓青少年義勇軍 虎山義勇隊開拓団(満州国東安省林口県虎山)に関するメモ

参考文献 群馬満蒙開拓魂之塔建立三十周年記念誌編纂委員会編『群馬満蒙開拓魂之塔建立三十周年記念誌 希望に満ちた満蒙開拓と終戦』(群馬県拓友協会 2004 pp.269-282) 1.会の名称 虎山会 2.創立年月日 1973年3月25日 3.隊員の県別人員数(合計300人) 群馬県1…