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まいてつ Last Run!!「ポーレットアフター」の感想・レビュー

人見知りが激しい娘に経験を積ませるべく家族で東北雪景色鉄道旅行をする話。 鉄道ならではの旅情と人との交わりを家族の成長に繋げて巧みに描き出している。 娘の対人関係の克服もさることながら主人公やポーレットも親として成長する。 最初から親なのでは…

まいてつ Last Run!!「ニイロク」ルートの感想・レビュー

蒸気機関車から電車への転換が行われず国鉄が民営化しなかった世界線の話。 巨大赤字を垂れ流した国鉄は一部の区間を除きほぼ全てが廃線となった。 その背景にはアメリカによる交通インフラへの介入と市場独占があった。 それでも連帯して立ち向かえばどうに…

まいてつ Last Run!!「ハチロクアフター(実質オリヴィ√)」の感想・レビュー

経年劣化し寿命を迎えつつある炉利BBAロボットの最期を看取る話。 「子孫を残せなくとも後世に伝えられるものがある」という事がコンセプト。 最後の鉄道業務を全うしながらオリヴィが息を引き取るシーンは感動を生み出す。 泣きゲー。お婆ちゃんが死ねば泣…

アインシュタインより愛を込めて「有村ロミ」シナリオ(個別→GRAND)の感想・レビュー

「世界の真理」へと至る道を捨て「日常への回帰」を選ぶ話。 主人公は有村ロミを救うために自らの肉体を犠牲にし魂だけの思念体となる。 そこで真理への到達という欲望に惹かれるが魂魄を二分化することで対処する。 愛を知る魂Aは父が残したロボットに憑依…

白昼夢の青写真 CASE-0「世凪グランドエンド」の感想・レビュー

人類を救うために世界と一体化するハイパーアルティメット世凪エンド。 近未来SFが舞台だが本質的にはまどマギや穢翼のユースティアと同じ主題。 記憶障害・基礎欲求欠乏症・仮想空間・観測による実態化がモチーフ。 Key、火の鳥未来編、バルドスカイ等の諸…

白昼夢の青写真 CASE-3「桃ノ内すもも」の感想・レビュー

よくある「自分探し」モノ。若者が将来について悩み「一夏の経験」により、それを見つける。 自分が情熱をかけられるモノを主人公とすももが各自見つけ出すプロセスが醍醐味。 主人公は亡き母の幻影を乗り越え人物を撮るカメラマンに生き甲斐を見出す。 すも…

白昼夢の青写真 CASE2「オリヴィア・ベリー」シナリオの感想・レビュー

シェイクスピアの人生と作品を題材にした話。 真夏の夜の夢、ハムレット、ロミオとジュリエットの創作秘話を新解釈する。 「信仰の自由」と「女性解放」をテーマにしていたが、何も解決せず終わる。 宗教問題が物語を転がすだけの装置に矮小化されてしまった…

白昼夢の青写真 CASE-1「波多野凛」シナリオの感想・レビュー

陰鬱な中年男性の実存を描き出せず、失敗に終わってしまったシナリオ。 最終的にいつもの「少女に実存を見出す」というお決まりのパターンになる。 創作業の苦悩描写は、このライターのヒト『MUSICUS!』来島澄√やったんだろうなって感じ。 結局は「如何にし…

鍵を隠したカゴのトリ「孔雀石透子」シナリオの感想・レビュー

クラスメイトが冤罪で殺人犯にさせられそうになるのを防ぐ話。 燕沢夜の母は毒親で愛人を殺害した罪を娘に擦り付けようとしていた。 第一発見者となった透子は夜を庇って自分が殺人犯と自供する。 証拠不十分で透子は釈放されるが真相を葬るために自ら幽閉さ…

ハミダシクリエイティブ「和泉妃愛」シナリオの感想・レビュー

人気声優の妹が屑兄に奉仕するのはクソデカ巨大感情を拗らせていたからという話。 幼少の頃から聡明で子役として活躍していた妃愛は世間を見下していた。 特に兄である主人公に対しては、幼稚であると蔑視し嫌悪していたのである。 それを見かねた両親に指導…

ハミダシクリエイティブ「バッドエンド(和泉里シナリオ)」の感想・レビュー

個別√に入れなかった時の汎用バッドエンドは従姉の先生のシナリオとなる。 主人公は生徒会室で女装っ子の相談を受けていた所を先生に目撃されてしまう。 何とか冤罪は免れたが、今度は主人公が男色なのではないかとの疑惑が生まれる。 先生は自分の従弟の性…

ハミダシクリエイティブ「鎌倉詩桜」シナリオの感想・レビュー

高い能力と豊かな経済力を背景に傲慢不遜な態度を取る黒髪ロング先輩との攻防戦。 詩桜先輩は体験版の時点ではかなり不愉快なキャラクターとして造形されていた。 他ヒロイン√では温厚な主人公が先輩に対してはクソ女認定し鍔迫り合いを展開する。 (これが詩…

ハミダシクリエイティブ「錦あすみ」シナリオの感想・レビュー

引き篭もりがVtuberの世界で居場所を見つけリアルでも不登校を解消する話。 音楽学校で挫折したあすみは普通の学校にも馴染めず「周回遅れ」と感じてしまう。 そんな中、ボカロPついでVtuberで地位を得たあすみは引き篭もりとなってしまう。 家とコンビニを…

ハミダシクリエイティブ「常盤華乃」シナリオの感想・レビュー

オタク趣味のせいでイジメを受け不登校になった少女がオタク趣味で世間を見返す話。 テーマはオタクであることの肯定。オタバレを恐れていた少女が自ら暴露するカタルシス。 スクカ上位者、リア充、パリピによる偏見や蔑視を経済的成功(カネ)によって黙らせ…

さくらの雲*スカアレットの恋「グランドエンド(レベッカ・クルーガー√)」の感想・レビュー

「親殺しのパラドクス」により2110年から過去跳躍してきた加藤大尉の野望を打ち砕く話。 主人公こそが歴史を意図的に歪めていた存在であったという展開が最高のカタルシス。 主人公が元いた時間軸は「令和」ではなく「桜雲」でWWⅢが勃発した世界線だった!…

さくらの雲*スカアレットの恋「茅野メリッサ ルート」の感想・レビュー

メリッサが千里眼の持ち主で歴史の歪みが視える存在だと明らかになる話。 汽車旅行での殺人事件は全て千里眼の持ち主を炙り出すだけの茶番であった。 謎を解き明かした主人公に自らの異能を告げたメリッサは帝都の防衛を依頼する。 鉄道を新たに敷設とか殺人…

さくらの雲*スカアレットの恋「水神蓮ルート」の感想・レビュー

造船成金が加藤大尉に殺害されてしまうことを防ぐ話。 ラスボス加藤大尉の野望「帝都再建計画」の一端が明らかになる。 大正時代の大和撫子ヒロインである蓮自身はそれほど活躍せず。 蓮は淫乱方面に目覚め線の細い主人公を枯れ果てるまで搾り取る担当となる…

さくらの雲*スカアレットの恋「不知出遠子ルート」の感想・レビュー

ブルジョワお嬢様遠子が亡き母の縁者を殺害してしまうことを防ぐ話。 遠子は母親の死がトラウマとなっており、復讐を誓った。 遠子の母親は窃盗に入られた際コレクションの一つである時計に圧迫され死んだ。 それ故遠子は窃盗犯を捕まえ、散逸したコレクショ…

『ATRI-My Dear Moments-』(製品版)の感想・レビュー

挫折系主人公救済モノ。温暖化により緩慢に滅びゆく世界で、AIの自己意識を描き出す。 天真爛漫なヒューマノイドが主人公を救うが、その行為は全て機械としての反応の結果に過ぎなかった。 だがそれは心を持ったAIが敢えて機械のように振る舞わざるを得なか…

かけぬけ★青春スパーキング!「聖橘花」シナリオの感想・レビュー

生霊復活譚。橘花の本体は植物人間状態で病院に入院中。 巫女であった橘花は生命が持つ青春の輝きを可視化する異能を持っていた。 家族旅行の前、橘花は違和感を抱くが、それを言い出せず家族は死亡した。 一人生存した橘花は親戚の嫌がらせを罰として受け入…

かけぬけ★青春スパーキング!「柊栞里」シナリオの感想・レビュー

Vtuberの中の人のコミュ障改善物語。 柊栞里は幼少期にアイドルになる夢を馬鹿にされコミュ障になってしまった。 それ故アイドルの代替としてVtuberに目覚めたが、芸風の限界を感じていた。 新たなステージに昇べく自分の殻を破る為リアルでのコミュ障改善を…

かけぬけ★青春スパーキング!「海堂凪子」シナリオの感想・レビュー

合気道少女がサーフィンをする話。なぜ合気道とサーフィンを組み合わせた? 特定分野モノは専門性と魅力を同時に提示する必要があるためライターの力量が問われる。 ではサーフィンの面白さが十分に描けていたかというと微妙と言わざるを得ない。 実家の道場…

かけぬけ★青春スパーキング!「鹿島理々」シナリオの感想・レビュー

富裕階層の御令嬢が裕福な生活を後ろめたく感じ奉仕活動に身を投じる話。 理々は当初ノビレスオブリージュの思想を掲げボランティアに取り組んでいた。 しかしそれは単なる理論武装であり単純に引け目を感じていただけであった。 勤労学生である主人公に比べ…

かけぬけ★青春スパーキング!「遠野律」シナリオの感想・レビュー

家族ゲー。不倫して家族を捨てて出て行った実母の死に目に会いに行く話。 体験版で張られていた伏線通り、叔母は善良な人間であり数クリックで和解。 叔母が強引な手段を取っていたのは姉(主人公の母)が長くない状態だからであった。 憎しみの感情に支配され…

かけぬけ★青春スパーキング!「小日向響」シナリオの感想・レビュー

バイタリティ溢れる元気系猪突猛進幼馴染と地域合同学園祭を成功させる話。 前編は夏休み青春イベントをこなしながら響が主人公に告白させようとする。 後編はフラグ構築した二人が目標達成の充実感を得るべく祭りを企画する。 学祭準備期間中すれ違いの日々…

Summer Pockets REFLECTION BLUE「加藤うみ」シナリオの感想・レビュー

主人公としろはの娘でグランドエンドのメインヒロインでもあるうみの個別ルート。 ネグレクトされていたうみが過去跳躍して若き日の父親から父性愛を獲得する。 親から叱られる子ども達を見て羨ましさと寂しさを感じるうみを主人公が叱る。 好きの反対は嫌い…

Summer Pockets REFLECTION BLUE「水織静久」シナリオの感想・レビュー

伝統芸能「自己の有用性」・「記憶リセット」・「親との和解」の三点セットが炸裂。 嫌なことを忘れてしまう静久に忘れたくない嫌な記憶を与えるというギミック。 そのために紬も主人公も静久との別離を選ぶというビターエンドがグッとくる。 主人公が部活問…

Summer Pockets REFLECTION BLUE「野村美希(のみき)」シナリオの感想・レビュー

KEY伝統の御家芸である「家族」ゲーを幻想要素「夢の共有」で提示。 捨て子であるのみきは自己欺瞞により両親は本州で仕事をしていると思い込んでいた。 主人公は少年団の活動を通して島民全体がのみきを育てたのだと知る。 だが島の取材と称して記者がやっ…

Summer Pockets REFLECTION BLUE「神山識」シナリオの感想・レビュー

過去から未来跳躍してきた少女を現代で鍛え過去改変して津波の犠牲者を減らせ! 自らが嫌われ者になることで他者を救おうとする『泣いた赤鬼』チックな雰囲気。 自分勝手な自己満足で自己犠牲して自己陶酔? 否、それは孤児の自分を育ててくれた島民への恩返…

『9-nine-ゆきいろゆきはなゆきのあと』の感想・レビュー

幾重もループを繰りかえし、数多の並行世界を統合し、異能バトルに勝利する話。 並行世界で絆を結んだヒロイン達がラスボス戦で召喚され総力戦するのはアツい展開。 既存のタイムリープ系コンテンツを昇華し組み合わせて融合させる表現技法が巧み。 ループで…